「 読切小説 」カテゴリー

夢と幻

こんな夢を見た。 青白い顔をした少女は無愛想に、「死んだね」と云った。 僕は「ああ、死んでしまった」と答えた。 ぽちたまいう名前で、つ

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クリオネと夢。

僕がその抽象画に出逢ったのは、興味本位で見に行った大学の学園祭だった。 展示している作品の中で一際目立つ壁一面を占める程のキャンバスには真

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暫定少女。

夕刻、豆腐屋さんが鳴らすラッパが遠く遠くに聞こえました。 重い瞼を開けると、大分角度を失くした夕日がベランダ越しに差し込んでいました。陽の

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透明少女。

膨らんだ桜の蕾が風に揺れていた。春が来たんだ、と思った。 此処はマンホールの上。えがお公園の正門と日和見新聞社に挟まれた車道のど真ん中

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放課後少女。

クエン酸にはくもりを消す効果があります。 私は大きく口を開いて「はぁ」と吐息を吹き掛けました。 四角い鏡は白くまぁるくくもりがかって

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思考少女。

「雲が千切れたらどうなると思う?」 あたしの隣に寝そべったちはやが、手にした文庫本から視線を逸らさず尋ねた。 「それはまた、唐突だねえ」

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椿姫

「いってらっしゃい、あなた」 彩子は薄紅色した唇を緩く左右に引いて笑った。 真弘の乗るジープの後ろでひらひらと右手を振って見送る。 「

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メロン

『夏』という単語で何を連想するだろうか。海、雲、真っ赤に熟した甘いスイカ、ぎりぎりまで溜め込んだ宿題の山……、十人居れば十人分の『夏』がある

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赤い深海プラネタリウム

辛い事も苦しい事も哀しい事も何もかも全部涙に溶けてしまって、勝手に流れたら良いと思う。 散らかった赤いティッシュペーパーを、小夜子は片

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孤独を模した記憶の隅にて

終礼と同時に学校を飛び出した。 別に目的も何も無かったが、とにかく、何処か遠くへと、歩き回りたい気分でいっぱいだった。 携帯電話の待

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