「 読切小説 」カテゴリー

梅雨前線

雨垂れが屋根を打つ音で私はふいに目を覚ました。気象予報士という仕事柄か(家内には単なる片づけ下手だとも言われるが)書籍やデータ表やらが机や床

記事を読む

なんでも屋さんのお仕事。

ぐちゃ……と潰れて形を無くし、ボタボタとコンクリートの床を汚す赤。いい加減慣れたはずの生臭い腐敗臭に秀二はあからさまに眉を寄せた。 「

記事を読む

赤い深海フラッシュバック

中学校からは、走って帰ってきた。家に着くなりタダイマも言わずそのまま自室に逃げ込んだ。教科書だの弁当箱が入ったスクールザックを思い切り机の側

記事を読む

そんな僕は幸せになっても良いですか

男に犯される夢を見た。 起きた時には吐き気がした。 偉人が言う事はあてにならないと、一人悟った瞬間だった。 かのフロイトだかユング

記事を読む

情欲科学

その日を境に、いつもぽりぽりと齧っていたミントのタブレットを私はノンシュガータイプへと変えた。そこに深い意味はあったのかもしれないし、別にた

記事を読む

雨下、蛹依り羽化

僕が突っ立っていた場所は、築数十年程にもなろう平屋建ての小さな小さな家の前で、僕にはそれ以前の記憶が無い。 静かな雨が降る薄暗い日で、周り

記事を読む

翳して掴むは太陽の光欠けてゆくは無垢さの破片

耳の奥にこびりついて、私を放してくれない。 それは悪いけれど、たちの悪いCMソングなんかと一緒で、朝からずっと耳の奥から血液に乗って、脳味

記事を読む

。るす費浪を年少は僕

俺は都会の中心からちょっとだけ離れた過疎化が進む町で生まれた。 この頃の俺には何と無く気になる人がいた。その人は一つ上の学年で、でも一年留

記事を読む

1 2 3 4 5